インプラント治療を受けた方や検討されている方にとって「インプラントが長持ちするかどうか」は非常に気になる点ではないでしょうか。
一般的にインプラントを失う原因として最も多いのは「インプラント周囲炎」であり、知らず知らずのうちに進行する恐ろしい病気です。
本コラムではインプラント周囲炎について詳しく解説し、その予防方法もご紹介いたします。インプラントを長持ちさせるためにも、ぜひご参考ください。
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲組織に炎症が起こる病気です。
インプラント自体は人工物のため、虫歯や歯周病にはなりませんが、インプラントの周囲にプラーク(歯垢)が付着し、歯周病菌が増殖すると炎症が生じます。この結果、インプラントと歯肉の間にある歯周ポケットが深くなっていきます。
インプラント周囲炎は自覚症状が少なく、気付きにくい病気です。ただし、次のような症状が現れたらすぐに歯科医院を受診しましょう。
・歯肉の腫れ
・歯肉からの出血
・インプラント部分からの排膿
・歯肉の痩せ(退縮)
・インプラントの動揺
・口臭
インプラント周囲の炎症には、初期段階の「インプラント周囲粘膜炎」と、進行した「インプラント周囲炎」という2つの段階があります。適切な治療を受けずに放置すると、歯槽骨が破壊されてインプラントの脱落につながる恐れもあるため、十分な注意が必要です。
インプラント周囲炎の予防方法は次の通りです。
・ホームケアの徹底
・定期的なメンテナンス
まずは毎日の歯みがきを徹底しましょう。歯間ブラシやデンタルフロスの活用もお勧めです。
歯科医院の定期的な検診・メンテナンスでは、ホームケアでは取り切れなかったプラークを専門的なクリーニングで取り除きます。また、歯科医院では一人ひとりのお口の中の状態に合わせた歯みがき指導や、インプラントを長持ちさせるための生活指導も行っています。
インプラント周囲炎は持病や生活習慣とも深く関わっている病気です。糖尿病などの持病がある場合はかかりつけ医のもとで全身状態のコントロールが大切です。そのほか、喫煙や不規則な生活リズム、栄養バランスが偏った食生活もインプラント周囲炎のリスクになります。
当院ではインプラント治療後も定期的な検診・メンテナンスをしっかりと行い、インプラントを長持ちさせるようサポートしております。インプラントに関する不安やお悩みのご相談も随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
Q1:インプラント周囲炎が重症化した際のリスクを教えてください。
A1:インプラント周囲炎の症状が進行すると、インプラント体の脱落だけでなく口腔内に歯周病菌が増殖することで、他の天然歯が歯周病に罹患するなど健康な歯にまで悪影響を及ぼすリスクが増大します。
Q2:インプラント周囲炎で痛みは生じますか?
A2:ほとんどの場合、痛みなどの自覚症状はありません。天然歯の歯周病と比べて、インプラント周囲炎の進行速度は非常に速いため、少しでも違和感をおぼえたらインプラント治療を行った歯科医院にご相談ください。