インプラントは、失った歯の機能を代替するために行う治療法の一つです。
本コラムでは、インプラント治療を成功に導くためのポイントを歯科医師の視点からお伝えします。また、歯科医院選びについても解説いたします。ぜひご参考にしてください。
インプラント治療の失敗例には次のようなものが挙げられます。
・顎の骨にインプラント体が定着しなかった
・インプラント周囲炎が起きてしまった
・治療後に痛みや腫れ、しびれが長期間続いた
・人工歯が破損した
インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療方法です。インプラント体の埋入箇所が適切でない場合、未定着や治療後の痛み、人工歯の破損に繋がります。
インプラント自体は虫歯になることはありません。しかし、インプラントを埋め込んだ周囲組織が炎症を起こし、「インプラント周囲炎」に罹患する恐れがあります。インプラント治療後のメインテナンスが不十分な場合、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
インプラント治療の成功率を上げるには歯科医院選びが重要です。歯科医院を選ぶ際には、次のようなポイントを重視しましょう。
・インプラントの症例数は豊富か
・担当歯科医師の治療経験は豊富か
・難症例への対応実績があるか
・デメリットについても説明があるか
・インプラント治療に適した設備はあるか
・アフターフォロー体制は整っているか
インプラント治療の実績数が多い歯科医院は、幅広い症例に対応できる可能性が高くなります。治療を行う歯科医師の経験はもちろんのこと、歯科衛生士や歯科技工士もチームとしていくつもの症例に関わっているため、多角的なインプラント治療を提供しているでしょう。
また、骨造成法の実績の有無もあわせて確認することをお勧めします。ほかの歯科医院では治療を断られてしまう、歯槽骨や顎の骨が不足している難症例にも対応できる可能性があります。
インプラント治療は基本的に二度の外科手術が必要です。衛生管理が徹底された高度医療オペ室のある歯科医院でインプラントを受けましょう。
なおインプラントの長期使用やインプラント周囲炎の予防には、定期的なメインテナンスが欠かせません。当院など長期的な保証がある医院を選ぶことをお勧めします。
インプラント治療は高額で時間もかかる治療法です。安心して治療に専念できるように、インプラント治療実績のある歯科医院を選ぶことが大切です。
Q1:インプラント以外で失った歯の機能を代替する方法はありますか?
A1:入れ歯やブリッジなどがあります。インプラントに比べて安価ですが、装着感や審美性の面ではインプラントに劣ります。そのため、メリット・デメリットを把握したうえで検討することをお勧めします。
Q2:インプラント治療の成功率はどのくらいですか?
A2:当院で10年間が経過した症例の統計を取ったところ、上顎で96%、下顎で99%でした。そのほか、インプラント治療を行った複数の病院・歯科医院での10年間の追跡調査でも、95~98%の患者様にインプラントを問題なくお使いいただいています。