インプラントの手術後には、適切なアフターケアが必要です。
本コラムでは、インプラント手術後の歯周病予防と健康維持について詳しく解説します。インプラント治療で取り付けた歯を長持ちさせるためにも、是非参考にしてください。
インプラント自体は人工の歯であるため、虫歯になることはありません。しかし、インプラント部分には歯と歯槽骨をつなげる「歯根膜」がありません。
歯根膜は0.2~0.3mmと薄い膜ですが、噛んだ時の衝撃を和らげるクッションの役割や食感を脳に伝えるはたらきのほか、骨や歯茎に栄養を与え免疫力を保持する役割も担っています。そのため、歯根膜がないインプラント部分は細菌に対する抵抗力が低く、歯周病になりやすく、悪化もしやすいのです。
インプラント周囲の歯周病が進行すると、インプラントを支える顎の骨まで溶かしてしまう「インプラント周囲炎」に発展することもあります。インプラント周囲炎は、インプラントの脱落を招く大きな原因の一つです。
インプラントを長く健康に使うためのアフターケアは次の通りです。
インプラント手術直後、しばらくは手術部分の歯磨きを控えましょう。手術した部分に刺激を与えると、傷口が開いて出血したり、治りが遅くなったりするためです。食事の際も、手術した部分で食べ物を噛まないようにご注意ください。
インプラント周囲炎を予防するために、毎日のセルフケアは欠かせません。歯ブラシのほか、デンタルフロスや舌ブラシなども活用して、口腔内を清潔に保ちましょう。
また、歯科医院での定期検診も重要です。専門的なクリーニングやインプラント部分の噛み合わせの調整などのメンテナンスを受けられます。
インプラント手術後は免疫力を下げないよう、生活習慣の改善を図り、インプラントを長く健康的に使用するためにも、ご家庭でのセルフケアと定期的な歯科医院でのケアを組み合わせてインプラントの脱落を予防し、再度手術を行う必要のない状態を維持しましょう。
Q1:インプラントは保険適用されますか?
A1:いいえ、原則として保険適用では受けられません。すべて自費診療です。
Q2:インプラントの寿命はどのくらいですか?
A2:約10~15年程度です。適切なアフターケアをしていれば、15年以上使用できるケースもあります。